“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.13

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Vol.13 パワーポリティクスの重要性(第5章-3)
 経常海外収支の考え方には二つのアプローチがある。第一に、貯蓄と投資のレベルの所産である。貯蓄余剰が経常海外余剰を産み、貯蓄と投資の差額の輸出をもたらす。貯蓄のマイナスは海外からの資本流入で補われる。第二に、投資収入からモノ・サービスへの純支払額を引くという考え方である。
 米国の投資勘定は、長期間の経済政策の転移を示している。1946年には、米国の為替勘定はGDP比3.9%に相当する黒字を計上し、貿易収支は67億ドルの黒字、サービス貿易収支は10億ドルの黒字を計上した。その後の30年間、米国は、全世界に投資を続け、また、西欧と日本の地域経済の構造を変えた。その結果、固定為替制いわゆるブレトンウッズ体制が崩壊した1971年には、総累積で、米国の為替勘定はGDP比0.1%に相当する赤字を計上し、貿易収支は23億ドルの赤字、サービス貿易収支は少し黒字、投資勘定収支は73億ドルの黒字を計上した。更に1985年には、巨大財政赤字と緊縮通貨政策の下で急激な米ドル高となり、為替勘定でGDP比2.8%・1182億ドルの赤字、投資勘定収支は257億ドルの黒字を計上した。借り入れブーム最終期の21世紀初頭には、米国は、政府が拠出しているファニーメイやフレディマックのモーゲージ債への資本流入を大量に得ており、2008年には中国やロシアなどの外国人による購入は累積で1兆3000億ドルを計上した。

あくまで参考
The Current Acccount vs the Trade Deficit | @gregmankiwblog
Current Account Deficits: Is There a Problem? | Atish Ghosh & Uma Ramakrishnan @IMFNews
Financial Globalization and the U.S. Current Account Deficit (PDF) | Matthew Higgins & Thomas Klitgaard @NewYorkFed
The Role of Savings and Investment in Balancing the Current Account: Some Empirical Evidence from the United States (PDF) | Giovanni P. Olivei @BostonFed
Foreign Bondholders – and not the U.S. Mortgage Market – Drove the Fannie/Freddie Bailout | WILLIAM PATALON III @moneymorning
Russia’s Financial Crisis: Economic Setbacks and Policy Responses | @SIPA


投稿者: ワールド ソルーションズ

国際的な諸問題の解決に結び付き得るよう、国際事情を少しずつ読み解きます。