“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.5

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Vol.5 2008年世界金融危機(第3章―1)

 2008年金融危機が先鋭化するにつれ、20世紀のGreat Depression(世界大恐慌)時の下降局面を想起させる脱グローバリゼーション現象が出てきた。カネ、モノ、人、の流れの減少である。

 第一に、カネの流れの減少である。
 米国の金融機関は、“lender of last resort”(最後の貸し手。参考:Central banks as lender of last resort: experiences during the 2007-2010 crisis and lessons for the future | Dietrich Domanski, Richhild Moessner, and William Nelson。)として金融当局や中央銀行を当てにしているにもかかわらず、国内向けには必ずしも貸し出しに積極的にならなかった。このため、例えば、米国政府によるAIGの救済で恩恵を受けたのは、大口の取引を有していたドイツ銀行、クレディ・リヨネ、UBSと外国金融機関であった。金融危機は、米国において、国際金融の繋がりへの根本的な疑問を呼び起こした。
 また、米国外からも、RBSのような損失が出た金融機関について「RBSの損失の殆ど全ては、米国内での営業上の住宅ローン担保証券商品などのサブプライム・モーゲージにおけるものであり、蘭ABN Amroを吸収したことによる(参考:Banking bailout: The rise and fall of RBS | Gordon Rayner)。英国国民のカネで銀行がこのような無責任な経営をしたことは、間違いだ。」とのブラウン英首相(当時)による批判があった。このとおり、英国政府による救済の重要部分は、RBSの外国支店や外国での事業を売却することであった。

姉妹都市 Vol.3(Tripartite Economic Alliance ロサンゼルスLA=オークランドAK=広州GZ 三市経済連携)

今日は”サミット”の話、と言っても先月下旬の議長国日本・伊勢志摩G7の話ではありません。〔以下ツイッターリンクは中国の広州市Guangzhouも含めてEnglish、日本の各市町のホームページはそれぞれ。〕

ロサンゼルス市(LA、人口380万人、アメリカ。参考:@MayorOfLA 市長)・オークランド市(AK、市人口40万人強・都市圏人口150万人、ニュージーランド。参考:@Auckland_NZ 市役所)・広州市(GZ、人口1300万人、中国。参考:@Guangzhou_City 市役所)の相互に姉妹都市である三市による Tripartite Economic Summit 2016 三市経済サミット が先月中旬にオークランドで開催されました。21世紀の都市間交流のあり方を打ち立てるべく2014年11月に世界初の三市経済連携協定(Tripartite Economic Alliance agreement)が結ばれ、初回”サミット”が昨年6月にロサンゼルスで開催されたとのことです。

都市間交流・地域間交流は一対一・文化交流という形である印象がありますが、太平洋を跨いだ三大都市の継続的な経済連携枠組みで世界初というのは第一印象としてはインパクトがあります。もちろん細部を少しずつ継続的に理解して行く必要がありますが、民間企業が収益を上げるのに役に立つ経済連携の形を取れば地方公共団体にも(もちろん中央政府にも)予算的労働的に負担がかからないということは言えます。また、人間で言えば、二人の方が突っ込んだ内容を話せるけど三人以上の枠組みの方が派手だったり長持ちしたりもする(あくまで参考:下記※)、というような感じでしょうか。従来型交流と適宜並行して進むと良さそうです。
なお、上記三市の日本の姉妹都市は、ロサンゼルス市とは名古屋市(参考:名古屋市英語ホームページ)、オークランド市とは大阪市(参考:大阪市英語ホームページ)・福岡市(参考:福岡市英語ホームページ)・富岡町(友好都市。参考:福島県富岡町ホームページ。)・宇都宮市(参考:宇都宮市ホームページ)・品川区(参考:品川区英語ホームページ)、広州市とは福岡市、のようです。また、広州市の姉妹都市には、当都市経済連携には入っておらず、ニュージーランドとは隣国かつ同盟国であるオーストラリアのシドニー市(参考:@cityofsydney 市役所)もあり、先月で両市姉妹都市30年になり喜ばしいとの報道が何度か目に入ってきました。シドニー市の姉妹都市には日本の名古屋市もあります。

※ 各人が手抜き無しに努力を怠らないチームの人数は、例えばWhy Less Is More in Teams | Mark de Rond では、4人とされています。他方、適度な頑張りが必要となる姉妹都市経済連携のような組織間の持続的試みにおいては、検証等必要ですが、各者が一定程度以上望んでいれば3者というのが一番長持ちしそうだと第一感では思いました。

U.S.A. アメリカ Vol.2(U.S. Top10 high-tech cities アメリカ国内ハイテク産業10都市等)

Data don’t lie… U.S. high-tech cities(English)で取り上げたシンプルな記事以外にも様々な記事が出ていますが、概括的に傾向を見るには足りる記事かと思われます。補足として一応ネットで拾ったのが、添付の2~4番目の図表であり、記事と直接の関係はありません。
この記事で当然ながら面白いと思ったのは、アメニティ密度、徒歩移動可能範囲、ハイテク産業集団度、地域経済の活気が”market dynamism”としてランキング決定指標となっていることです。人間が気持ち良く生活して働いてこそ仕事の成果が上がるという当たり前のことがハイテク業界では(一番進んでいるからこそ?)基本におかれている、と考えます。

“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.3

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Vol.3 1929年と1931年(第2章ー1)

 1929年と1931年は対照的であった。
 1929年の崩壊は、公開市場操作(参考:Open Market Operations (OMOs))による流動性の増加(参考:Market Liquidity)と伝統的な通貨政策(参考:The Federal Reserve’s Unconventional Policies)という二つの非常にもっともな解決策があったが、原因は未だ解明されていない。正確には、原因の合理的な説明として二つ可能性のあるものがあるが、必ずしも満足なものではない。

 その一つは、投資家が米国経済停滞の予兆を見て、1907年10月の崩壊などを想起し、それに対応して投資を控え、世界大恐慌に陥ることとなったというもの。しかし、例えば、崩壊初期の1930年における消費の落ち込み30億ドルのうち13億ドルしか崩壊パニックによっては説明が付かない。
 もう一つは、個人や会社がカネを借りる際の担保がパニックにより減り、世界大恐慌の特徴とされる(証券投資などに回すために銀行から預金が大量に引き出される)金融仲介機能の崩壊(参考:Credit Availability and the Collapse of the Banking Sector in the 1930s)を引き起こしたというもの。しかし、ロバート・シラー教授(参考:Yale@RobertJShillerProjectSyndicate)も言うように、歴史的比較からの崩壊の想起無くしては語れない。欧州やアジアにパニックが広がらなかったのが驚きではあるにしても。

姉妹都市 Vol.2(松島町とイルデパン島、岩沼市とナパ市・ドーバー市)

Vol.1掲載姉妹都市一覧のとおり、同じ宮城県内隣接及びニューカレドニア内のペアで 松島町 Matsushima TownIle des Pins イルデパン島(和訳すると松島)もあります。
さらに宮城県について言えば、例えば、県内の 岩沼市 Iwanuma City とアメリカのカリフォルニア州内のナパ市、デラウェア州内の Dover City ドーバー市 が姉妹都市であり、 宮城県 Miyagi PrefectureState of Delaware デラウェア州 は姉妹州でもあります。

Former US trade deputy wary of protectionist bent | Takeshi Kawanami, NIKKEI ASIAN REVIEW

アメリカ政府元高官の見解です。 @AmChamJapan

mExcerpt: TPP is a high-standard agreement. It’s high standard, it’s ambitious, it’s comprehensive, and an agreement that will produce benefits to all the members, including the United States and Japan.