日本のガラパゴス症候群 Vol.5(各種Indexランキング: Global Competitiveness, Good Country, Best Countries for Business, Homeownership Linked to Happiness, Global Innovation …)

ガラパゴス化とは直接は関係ありませんが、下記URLウェブサイト(English)は各種ランキングの国別の例です。

Best Countries for Business

Good Country

Global Competitiveness

Homeownership Linked to Happiness

Global Innovation

World’s Smartest Cities

Cost of Living

定量的分析は一般に説得力があり証明力が強いと考えられます。他方、数字は時々刻々動くものである上に、数字の取り方や解釈の仕方などにより結論は変わり得るので、定量的分析が完全に客観的・固定的であるとももちろん言えません。そもそも、国別ランキングは、分析者などの言語や思考の壁によるのか、あくまで個人的な感覚では「本当にそうか?」と思わせるものが少なくありません。。。などなど。

概括的に傾向は掴みつつも、数字やランキングに一喜一憂せず、改革・改善のために地道に研鑽を重ねていくしかないのでしょう。

姉妹都市 Vol.3(Tripartite Economic Alliance ロサンゼルスLA=オークランドAK=広州GZ 三市経済連携 Vol.1)

今日は”サミット”の話、と言っても先月下旬の議長国日本・伊勢志摩G7の話ではありません。〔以下ツイッターリンクは中国の広州市Guangzhouも含めてEnglish、日本の各市町のホームページはそれぞれ。〕

ロサンゼルス市(LA、人口380万人、アメリカ。参考:@MayorOfLA 市長)・オークランド市(AK、市人口40万人強・都市圏人口150万人、ニュージーランド。参考:@Auckland_NZ 市役所)・広州市(GZ、人口1300万人、中国。参考:@Guangzhou_City 市役所)の相互に姉妹都市である三市による Tripartite Economic Summit 2016 三市経済サミット が先月中旬にオークランドで開催されました。21世紀の都市間交流のあり方を打ち立てるべく2014年11月に世界初の三市経済連携協定(Tripartite Economic Alliance agreement)が結ばれ、初回”サミット”が昨年6月にロサンゼルスで開催されたとのことです。

都市間交流・地域間交流は一対一・文化交流という形である印象がありますが、太平洋を跨いだ三大都市の継続的な経済連携枠組みで世界初というのは第一印象としてはインパクトがあります。もちろん細部を少しずつ継続的に理解して行く必要がありますが、民間企業が収益を上げるのに役に立つ経済連携の形を取れば地方公共団体にも(もちろん中央政府にも)予算的労働的に負担がかからないということは言えます。また、人間で言えば、二人の方が突っ込んだ内容を話せるけど三人以上の枠組みの方が派手だったり長持ちしたりもする(あくまで参考:下記※)、というような感じでしょうか。従来型交流と適宜並行して進むと良さそうです。
なお、上記三市の日本の姉妹都市は、ロサンゼルス市とは名古屋市(参考:名古屋市英語ホームページ)、オークランド市とは大阪市(参考:大阪市英語ホームページ)・福岡市(参考:福岡市英語ホームページ)・富岡町(友好都市。参考:福島県富岡町ホームページ。)・宇都宮市(参考:宇都宮市ホームページ)・品川区(参考:品川区英語ホームページ)、広州市とは福岡市、のようです。また、広州市の姉妹都市には、当都市経済連携には入っておらず、ニュージーランドとは隣国かつ同盟国であるオーストラリアのシドニー市(参考:@cityofsydney 市役所)もあり、先月で両市姉妹都市30年になり喜ばしいとの報道が何度か目に入ってきました。シドニー市の姉妹都市には日本の名古屋市もあります。

※ 各人が手抜き無しに努力を怠らないチームの人数は、例えばWhy Less Is More in Teams | Mark de Rond では、4人とされています。他方、適度な頑張りが必要となる姉妹都市経済連携のような組織間の持続的試みにおいては、検証等必要ですが、各者が一定程度以上望んでいれば3者というのが一番長持ちしそうだと第一感では思いました。

“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.4

(All the below links are in English.)

Vol.4 第2章-2  

 他方、1931年のdisasterでは、容易な解決策は無かったが、ハイパーインフレーション(参考:In today’s debt crisis, Germany is the US of 1931 | @flindner23)などを引き起こした愚策の後の銀行のバランスシートの悪化が原因であると明白であった。メガバンクが崩壊した欧州が、小規模地域銀行が主体の米国での不安を煽って、崩壊に導いたと言える。
 一つの解決策としては、1944年のブレトンウッズ会議(参考:Establishment of the Bretton Woods System | @AtlantaFed)での中心的議題であった、逆行しているカネの流れの封じ込めがあったが、民主主義の時代には難しかった。
 もう一つは、1930年代にゴットフリート・ハバーラー(Gottfried Haberler (by @mises))など何人かから指摘された、固定為替制は通貨危機に対して脆弱であるので、為替変動制に移行することであったが、金融制度の未発展国の国民は自国では自国通貨を長期的に調達することができず、常に為替変動リスクに晒されるというものである。尤も、21世紀初頭には、1929回避のための通貨政策と共に、1931回避のための金融機関なども整備されてきた。

“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.3

(All the below links are in English.)

Vol.3 1929年と1931年(第2章ー1)

 1929年と1931年は対照的であった。
 1929年の崩壊は、公開市場操作(参考:Open Market Operations (OMOs))による流動性の増加(参考:Market Liquidity)と伝統的な通貨政策(参考:The Federal Reserve’s Unconventional Policies)という二つの非常にもっともな解決策があったが、原因は未だ解明されていない。正確には、原因の合理的な説明として二つ可能性のあるものがあるが、必ずしも満足なものではない。

 その一つは、投資家が米国経済停滞の予兆を見て、1907年10月の崩壊などを想起し、それに対応して投資を控え、世界大恐慌に陥ることとなったというもの。しかし、例えば、崩壊初期の1930年における消費の落ち込み30億ドルのうち13億ドルしか崩壊パニックによっては説明が付かない。
 もう一つは、個人や会社がカネを借りる際の担保がパニックにより減り、世界大恐慌の特徴とされる(証券投資などに回すために銀行から預金が大量に引き出される)金融仲介機能の崩壊(参考:Credit Availability and the Collapse of the Banking Sector in the 1930s)を引き起こしたというもの。しかし、ロバート・シラー教授(参考:Yale@RobertJShillerProjectSyndicate)も言うように、歴史的比較からの崩壊の想起無くしては語れない。欧州やアジアにパニックが広がらなかったのが驚きではあるにしても。

“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.2

Vol.2
 globalization グローバリゼーションとそれによる反動・崩壊の傾向は、以下のとおりです。
 1.世界についてのユビキタスな理解の仕方であるグローバリゼーションを分析手法として固定的に捉えていた人達は、そのvolatilityとinstabilityを理解するのに失敗した。
 2.グローバリゼーションは、モノ・人・資本の国際的移動のみならずideasの転移やテクノロジーの転回にも関連するので、人々の嗜好にまで影響しそれを再構築する。
 3.結果、value(価値、価値観)に係る継続的な確信の無さを、一時的にも長期的にも齎す。経済的現象を遥かに超えるものである。
 4.グローバリゼーションは非常に突然に価値の変更を伴う周期的な金融大惨事に対して脆弱であるため、大惨事の間に人々の価値の再評価が起きてしまう。
 5.そこで、人々は、世界が複雑に相互に関連している模様を見始める。
 6.価値の再評価には、deflation デフレーションinflation インフレーション、そしてその両者が同時に起きる統合失調的状態のような通貨の(monetary)根本的な不安定さも含まれる。
 7.この不安定さは、gold standard 金本位制であれ管理通貨制であれ、通貨の管理のための専門的力量につき疑問を想起させる。
 8.そこで、今日、人々は、1920年代30年代のGreat Depression 世界大恐慌を回想することとなる。
 9.政治と経済はほどけない形で本来的に繋がっており、政治がグローバリゼーションの危機への対処のための市場メカニズムへの代案を提供する。
 10.崩壊が起きると、再構築は極めて難しい。価値の再生には時間がかかる。
 これらの指摘の上で、当世のグローバリゼーション(第1章)、戦間期(1919-1939年)の崩壊(第2章)、から第6章まで、著者の洞察などが書かれています。次回以降、代表的な部分を挙げます。

“The Creation and Destruction of Value” 価値の創造と破壊 Vol.1

【国際政治経済を読み解く書籍の紹介】
“The Creation and Destruction of Value – The Globalization Cycle”(ハーバード大学出版会、2009年)ハロルド・ジェームズ著

Vol.1
 原油価格激落など経済見通しの只ならぬ不透明さが目に付く時代に、今の人々は生きています。一市民が普通に生活しているだけでも、経済についての基本的な理解の必要性を痛切に感じると言えます。
 即ち、一方で、二度の世界大戦、東西冷戦、断続的な地域紛争などを経て、科学技術は相当に、人々の意識も一定程度発達して、先の見通しが立ち易くなった面はあります。他方、大震災や原発事故、伝染病、欧州移民などの従来からの問題、 また、気候変動や水不足、テロリズムなど新たな問題も生じ、経済への影響が時々刻々出ています。結局、経済に完全な見通しや客観的な正解は無く、あくまで一定程度の見通しや理解が必要とされると考えて良いのです。
 今の経済に係る理解を深める上で避けて通れないのが、2008年リーマンショックなどを含む世界金融危機(2007年-)でありましょう。ジェームズ・プリンストン大学教授(専門:経済史)の本書は、1929年・1931年の世界大恐慌を解説した上で世界金融危機や価値・価値観の不透明さを記し、2016年になっても賞味期限が切れた感じがありません。それゆえ、抜粋してなるべく日本語に直して、今後、二十回以上に分けて本ウェブサイトに掲載することといたします。